近年、ずっーと気になっている国があります。
それはインド。
学生時代、地理や歴史などインドについてサラッと学ぶことはありました。その後、大人になってから私がインドに関心を持ったのは三回。
一回目は一冊の本。二回目はインド映画、三回目は日本の自動車メーカーのインド仕様車。
そのなかの一回目、本というかインド式計算ドリル。買った理由は、就職試験。苦手な計算を克服したい一心で、「今からでも間に合うなら」と購入したものでした。
以来、「インド=数字に強い国」と頭の隅に残ったまま過ごして数十年。
ここ近年で、“インドの人材を獲得したい日本の企業“などとテレビでよく観るため、四回目の興味がむくむく湧いてきたのです!
今回、子供にもわかるようにインドについて調べてみました。
インドってどんな国?
■国旗の意味
オレンジ(サフラン色)はヒンズー教を、緑はイスラム教を、白は平和を表している。
中央の紋章はチャクラといい、3世紀頃のインドの神殿の柱にある飾り物。24の車軸は1日の時間を表している。引用元:「世界の国旗」 成美堂出版
インドは日本と同じ、アジア。場所としては中東寄りの位置。
主な言語はヒンディー語。そのほか、憲法で21言語が公用語として認められていることからも、インドの多様性がわかりますね。
ですが、
・政府が認める準公用語
そのため、公の場では英語が用いられることが多いようです。
なるほど。英語が話せるということは、「世界で活躍するために必要な一つの武器」がもともと備わっている国といえるでしょう。
日本と似ている点
ここで一つ、日本との類似点。かつての日本には「身分制度があった」と歴史で学びました。
高校あたり?でも、インドの“カースト制度“が出てきます。1950年インド憲法により廃止されたものの、今もなお、根強いようですね。
インド社会に特有な身分制度。アーリア人がインドに侵入し,先住民を征服する過程で成立した。はじめ,バラモン(僧)・クシャトリア(王侯・武士)・バイシャ(平民)・スードラ(奴隷)に分かれていたが,その後複雑になり,3000もの区別が生まれた。職業・結婚・食事などを他のカーストとともにしないというおきてがある。
現在,法律では廃止されているが,ヒンドゥー教とむすびついて,社会に根強くのこっている。
引用元:学研キッズネット 辞典 カースト
“他のカーストとともにしない“とは、職業についても世襲制度があるということ。つまり、特定の地位や職業などをその家の子孫が代々継いでいくカタチ。
むかしの日本と同じですが、身分によっては就きたくても就けない職業があるということになります。
また、「インドでは親が結婚相手を決めることも多い」とテレビで観たことがあり、そのときは「昔の日本に似てる」と思っただけでした。
ですが、こういう制度が結婚に今も大きな影響を与えているのかもしれませんね。
産業
ここでインドの主要産業を見てみると、
広大な農地をもつインドであるため、第一次産業には農業。
そして、主要産業の一つにIT産業。IT産業は近年突出してきた新しい分野です。
それゆえ、カースト制度の中に職業としての分類が存在しません。「制度下にない」ということは、本人の努力次第で成功を勝ち取るチャンスがあるといえるでしょう。
私は、「数字に強い=優秀な人材がインドに多い」という安易な考えでした。ですが、こうした社会背景が優秀な人材を生んでいるのかもしれませんね。
インドが躍進を遂げる裏では、今でも貧富の格差があったり、電気・水道・交通など生活を支えるインフラが不十分など、成長を妨げる要因が残っているはず。
そんな中、長い間苦しんできた貧困から抜け出したい一心で、猛勉強に励む。その結果、IT分野で成功を手にする方が多いということでしょうか?
とにかく、IT企業のみならず、世界に名を馳せる企業のCEOに同国出身者が多いという事実は、貧困から脱出したいインドの若者にとっては大きな希望となります。
これは日本も見習いたいなぁ
これからのインドは?
世界の人口ランキング1位がインド。既に14億人を突破。
以下、2位中国、3位アメリカと続きます。
上の表は、世界人口・年齢構成の推移を表したもの。表の左側から、
・それに占める女性の割合(%)
・年平均増減率(%)
・15歳未満人口(%)
・65歳以上人口(%)
・中位年齢(歳)
「年齢中位数」とは,人口を年齢順に並べたとき,その中央で人口を2等分する境界点にある年齢のことをいいます。
引用元:総務省統計局ホームページ
2030年(赤く塗った部分)には、インドの総人口は15億人を突破する見通しであり、中位年齢は30.9歳。
かたや、日本の総人口は約1億2千万人、中位年齢は52.1歳。どちらもインドとは大きな差。
もとの母数が多いうえ、社会を支える働きざかりの年代も若いとなれば、当然のように発展が見込める国。
今年に入り、日本の名目国内総生産(GDP)がドイツに抜かれて世界第4位になったというニュース。
その後、さらに2025年にはインドに抜かれる予想が発表されており、これからもインドが成長する国であることに疑う余地はありません。
国内の経済活動を量的にはかる指標の1つ。国民総生産(GNP)から,海外からの純所得(輸出など海外から得た収入額と,輸入など海外へ支払った額との差)を差しひいたもので,GDP(gross domestic product)と略称する。
海外からの純所得の比重が大きい国では,GNPよりもGDPで見たほうが,国内の経済活動の状況をよくとらえることができる。
引用元:学研キッズネット 辞典 国内総生産
日本の企業とインド
私の趣味が、アウトドア。数年前、欲しい四駆車を調べるうちにインドに行きついたわけです。
なぜ、インド進出?
風土に合った車だから?
そのときは、こう思っただけで深掘りせず。
しばらくしてNISAがきっかけとなり、「これから経済成長を遂げる国」として目に入ってくるのは当然のこと。
最近もニュースを観ていたところ。
自分のために人生を楽しもうとするインドの若者。日本食材を浸透させるために奮闘したり、インド人材を求める日本企業。私にはかなり興味深い内容でした。
おそらく、この企業以外にも早くからインドに注目し、交流を深めている日本企業もあるはず。
日本企業のCEOにもいるよ!
日本の官民問わず、世界が高度なインド人材を求めているのはまちがいありません。
見習うべき点
インドが経済発展を遂げたり、優秀な人材が多いのは、単に人口の多さ&英語が話せる&頭脳明晰だけでないはずです。
日本は単一国家の島国。多様性を受け入れる地盤が他国より軟弱。
また、他者を重んじて和を乱さない協調性を重んじる教育。「目立ちすぎない&自己主張しすぎてはいけない」と私自身思ってきました。
かたや、多種多様な民族・言語を持つ大陸。
同じ言語を持たず&人口が多い大陸で勝ち残っていくためには、相手と交渉を重ねたり、自己アピールする場面が多いはず。
基本的に、「自分の意思を他者に伝える」などの自己表現が必要とされる地盤も大いに関係しているのではないでしょうか?
実際に、昨今の日本でもこういう教育を取りいれていると感じます。
また、日本が世界で生き残っていくためには、国民性や価値観だけでなく、習慣・宗教の違いなど想像を超える大変さは避けられないでしょう。
お互いの国を理解&尊重しあいながら、インドとともに成長の波に乗れる日本企業が増えるのを期待したいですね!
まとめ:インドの底力
私は国際情勢にも経済にもまったく知識はありません。そんな私が、インド式計算という一冊のドリルから始まったインドへの興味。
実は、2年ほど前まで持っていたドリルはコロナ禍に断捨離してしまいました。
買った数十年後、まさかこんな形でインドについて調べることになるとは思いもよらず。
現在、世界の有名企業にはインド出身の経営者がたくさん出てきます。私たちが日常的によく目にする企業ばかりで、調べれば調べるほどインドは奥が深い!
いくら人口が多いとはいえ、これだけ優秀な人材を輩出するインドの底力って一体なんだ?やっぱり、インド式計算でしょうか?
インドの謎を解くために、またドリルをやってみたい気分になりました!
答えはわからないままですが、これを機に興味を持った方はぜひインドについて調べてみてくださいね。
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